≪sora tob sakana単独公演 月面の音楽隊≫ sora tob sakana
おすすめ度:★★★(3つ星が最高点)
2014年7月に結成された4人組アイドル・グループsora tob sakana(以下、愛称のオサカナと呼ぶ)の恵比寿Liquidroomでの単独ライブ映像。
全曲、バンド編成による生演奏で、彼女たちにとって初めての試みに挑戦している。
冒頭、本公演のテーマ「月面の音楽隊」に合わせ、スクリーンに大きな月面が映し出される。美しい旋律の入場SEが演奏されると、彼女たちがひとりずつステージに登場する。「sora tob sakana、始めます」といつものMCとともに、1曲目が始まる。この数分間でオサカナの世界が遺憾なく提示され、ファンでなくとも目が離せなくなってしまうはず。
誰もが経験したであろう青春の1ページを鮮やかに切り取った瑞々しい歌詞、詩の内容をファンタジックに表現したサウンド、そして、青春歌を宇宙的な広がりにまで昇華させたVJによる映像、この3つが相乗効果をあげ、彼女たちの魅力が100%発揮されたライブとなっている。
オサカナの曲は青春の真っ只中にいる若者ではなく、すでに青春が終わってしまった大人たちのほうが、より切実に心に突き刺さるはず。若者よりも大人たちのほうが、失われてしまった若き日の喪失をリアルに実感できるから。
オサカナの音楽プロデューサーであり、作詞作曲を手掛けている照井順政がギタリストとして出演している。照井氏は中田ヤスタカに匹敵する才能の持ち主であると、私は高く評価している。もっともっと注目されていい逸材。
アンコールで神崎風花はこう話した。「今日はこんなにたくさんの人たちがきてくれて、とってもいい風景を見ることができました。でも、ここだけではまだ終わってられない。もっと上を目指していきたい」
私だって、まだまだこんなところで終わってほしくない。トップアイドルとして頂点を極めてほしい。その実力は間違いなくある。