≪レピュテーション Reputation≫ テイラー・スウィフト Taylor Swift
おすすめ度: ★★ (3つ星が最高点)
今もっとも旬なシンガー テイラー・スウィフト。
前作≪1989≫では、それまでのカントリー・ミュージックから大きく路線変更し、マドンナやマイケル・ジャクソンが大活躍した1980年代ポップを再現した至福に満ちたアルバムだった。今作も≪1989≫路線を引き継ぐかと予想していたけど、今作ではまたもや大きく舵を切って、ヒップ・ポップに挑戦している。現在のアメリカの音楽シーンにおいてヒップ・ポップが主流なので、王道路線に乗ったといえる。
アメリカ本国では、テイラーの一挙一動が世間の注目を集め、誰と付き合っているとか、誰々と別れたなどスキャンダラスな話題に事欠かない。
テイラーは実体験を基にした歌詞が多いというもっぱらの噂で、この曲は誰それとの恋愛を基づいて書かれたものだなど、深読みされる狂騒状態が続いている。
ポップ・アイコンであることの重圧と悲痛を感じさせるシリアスな歌詞にもかかわらず、閉鎖的でヘビーなサウンドではなく、同時代をしっかり捉えた大衆に向けられたポップ・ミュージックとして昇華していることに凄みを感じる。
ポップ・アイコンであることへの覚悟を真正面から受け止めた力作。