音楽ダイアリー

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≪アズ・ユー・ワー As You Were≫ リアム・ギャラガー Liam Gallagher

おすすめ度: ★★★ (3つ星が最高点)

 

1990年代以降、世界的にもっとも大成功を収めたバンドであるオアシス。そのヴォーカリストであったリアム・ギャラガーがオアシス解散後の所信表明したというべき初めてのソロ・アルバム。

 

オアシスの解散のあと、ビーディ・アイを結成したものの、いまひとつ成功からは遠ざかっていた。私生活でもごたごたが続いていたという。世間から「リアムはもう終わった」といわれてもおかしくない状況であった。

こうした負の状況を踏まえながらも、生身のリアムをさらし、彼自身を語っているとしか思えない歌詞は私小説ふうでもあり、独白記ふうでもある。オアシス時代のリアムがまぐれ当たりではなく、才能と実力に裏打ちされた結果であったことをあらためて証明してくれた起死回生の作品といえる。

 

本作とほぼ同時期(2017年)にリリースされた兄ノエルのアルバムでは、ノエルはオアシスの過去を断ち切って、オアシス時代とは全く異なる曲作りに専念している。一方、弟リアムはオアシスという偉大なキャリアを十二分に自覚したうえで、その延長上にソロ活動を行っている。どちらが正しいというわけではなく、現在の2人の立ち位置の違いが明確で興味深い。

オアシス原理主義者であれば、オアシスに原点回帰しながらも進化していくリアムをきっと応援したくなるだろう。

 

ボーナス・トラックを含め全18曲は聴きごたえ十分で、まぎれもない傑作。