≪アイアン・メイデン Iron Maiden≫ アイアン・メイデン Iron Maiden

鋼鉄の処女(ザ・スタジオ・コレクション・リマスタード)

おすすめ度:　★★（３つ星が最高点）

  1980年に発表されたアイアン・メイデンの記念すべきデビュー作。

アイアン・メイデンは、ブラック・サバスやジューダス・プリーストらとともに、1980年以降のヘビー・メタル界をけん引した最重要バンド。

  中世の女性の拷問具である『鉄の処女』をグループ名にし、ジャケットのイラスト、不気味な怪物の絵から想像すると、おどろおどろしい怪奇趣味的な曲ばかりと思いきや、若者が自分の生き方を模索したり、恋愛に悩んだりと、ごくまっとうな歌詞である。唯一、タイトル曲“アイアン・メイデン”のみがバンド名に直結するダークさをたたえている。

  若者の魂の叫びをスピード感たっぷりの爆音として表現することに成功している。中心メンバーであるスティーブ・ハリスがプログレッシッブ・ロック好きなこともあってか、曲の構成は凝りに凝っており、ドラマチックな展開が多い。デビュー作でありながら、すでにその後の彼らのスタイルを１００％確立している。時代の波にのまれることなく、彼らのサウンドはいささかも古びていない。